2010年4月1日(木)~6月27日(日)

平城遷都1300年記念「入江泰吉 大和路巡礼IV ―平城京―」

入江泰吉は、戦後間もない頃に故郷である東大寺旧境内に居を構え、ここを拠点に奈良大和路の風物を撮影しました。とくに東大寺界隈にいたっては、幼少期を過ごした地であり、いわば自分の庭のように境内の情趣を敏感に感じとり、数多くの秀作を残しています。またそれだけではなく興福寺や春日大社、志賀直哉が居を構えていた高畑、大安寺なども、戦後から絶えず奈良らしい情趣を新たに見つけ出し写真に写し込んできたのです。
ことに奈良は今から1300年前に平城京に遷都し本格的な都市国家が築かれ、東大寺を中心とする仏教文化が開花した地です。その名残をとどめる数々の遺構や文化財から、当時の文化や心に触れることができます。またこれらの文化遺産と豊かな自然との調和美は奈良の良さともいえるでしょう。そうしたなかで入江は「一木一草にも歴史がある」と語り、大和路本来の「美」と「心」を紡ぎだし写真に表現してきたのです。
今回は平城遷都1300年を記念し、入江の大和路巡礼シリーズ第4回目として「平城京」を取り上げます。戦後から晩年にいたるまでの風景(モノクロ・カラー)や祈りの仏像など96点を紹介します。