2010年9月4日(土)~11月14日(日)

平城遷都1300年記念「入江泰吉傑作選―大和路― 後期」

 入江泰吉は、昭和20年に郷里の奈良へ引き揚げてから、平成4年に亡くなるまで奈良大和路の写真家であり続けました。その間、色々な角度で被写体と向き合い撮影した作品の数は、約8万点にもおよびます。その全作品を奈良市に寄贈したのを機に奈良氏は平成4年4月に奈良市写真美術館を開設しました。以来、当館ではテーマを替え90回に上る入江作品展を開催し、入江がとらえた奈良大和路の風物を紹介していきました。
 入江作品は「風景」「仏像」「伝統行事」「万葉の花」に大きく分けることができます。中でもカラーの風景作品においては、被写体の内にある歴史を紐解き、背景にある情景をイメージして撮影しています。そのイメージと合致する情景に出会った時、入江の傑作は生まれるのです。また、モノクロにいたっては、日本の原風景ともいうべきのどかな農村風景や祈りの対象としてとらえた仏像など、戦後出会った大和の美がきりとられて、入江が心癒された感動が作品に表れています。
 今回は、過去に出展した入江作品の中から厳選した作品を前期・後期に分けて展示します。今年、平城遷都1300年を迎えた歴史ある奈良をさらに奥深く感じていただくため、その歴史を撮り続けた入江泰吉珠玉の作品で奈良の魅力に迫ります。